「ヒト・モノ・カネ・情報」で読み解くまちの経営―SimCityに学ぶまちづくりと特区モデル

目次

地方創生の不動産研究とは?

地方創生をする、わくわくするまちづくり
そんな未来を描ける人が増えています。

しかし地方創生の土地や建物を研究する
というと不動産?と疑問を持たれます。

地方創生に関する横山篤司氏の全国講演を基に再現

不動産?というと投資的な話へと広がりますが、空き家や、水道管の修繕、がけ崩れ、道路整備などのインフラの仕事を挙げると、「あー、行政がやることね」と、急に他責になります。

すると行政関係者も、「あー、お金のことは国に言ってくれ」と、他責になってしまうのです。

私はこの不動産分野の研究を始めて20年

責任世代となり、
このわかりにくい公共事業の仕組みも
自分たちの税金を使って整備されるので、
わかりやすく伝える必要がある
と思うようになりました。

SimCity(シムシティ)とは?

みなさんはシムシティをご存じですか?

1990年に任天堂より発売されました。シムシティシリーズは、アメリカのマクシスが開発したリアルタイム都市経営シミュレーションゲームのシリーズです(Wikipediaより)。

当時小学生だった私は、
このゲームを何度も何度もやりました。

わたしたちが町長となり、
予算を使ってまちを発展させていくゲームです。

簡単にいえば、
最初に発電所をつくって送電線を引く。
エネルギーを増やすため工場をつくり、
工場で働く人のために住宅をつくり、
街が発展したら商業をつくる。
これだけです。

都市に必要となる、
警察署、消防署、ごみ集積所
学校や病院、診療所をつくっていく。

これって今の都市計画と同じつくりですよね。

SimCity(シムシティ)のまちづくり

シムシティでは様々な都市の問題をとりあげます。

自治体の予算が限られた中で、
道路や鉄道を伸ばして都市を広げていきます。
急に広げるとインフラ整備の支出が収入を上回って破産してしまいます。

人口が増えない地域は、
用途地域を商業から住宅に変えたり、
新たな工場を建設してエネルギーを増やします。
(時代の変化に応じて都市計画を組み直す)

都市が成熟すると、
人口減少や都市基盤の老朽化がはじまるので、
道路を減らしたり公園を広げて浄化させます。
(都市の再整備、効率化、再構築)

実際の日本は、道路は増やせますが減らせません。
(減道、廃村、幽霊1人でも住んでいたら不可)

ヒト・モノ・カネ・情報で読み解くハードの経営

先日、北海道のある都市に行きました。

北海道視察の様子。過去4000人が住んでいた集落が今は400人。2024年に10億円の水道管改修工事をしたそうです。

新幹線開通で新たに地方都市が沸き立ちますが、
その裏で10以上の地方都市が消滅・孤立化します。
むしろ孤立化した地域を救う法案すらありません。

100年続くまちをつくるという営みは、企業経営と本質的に変わりません。私は、持続可能な地域を育てるには、「ヒト・モノ・カネ・情報(最新化)」という4つの要素をバランスよく活用し、再構築していくこと=地域経営が不可欠だと考えます。

ここでは、それぞれの要素が地域経営においてどのような意味を持ち、どう機能するのかを紐解きます。

ヒト──まちの“記憶”と“担い手”

ヒトとは、地域住民一人ひとりの存在です。そこに暮らす思い、その土地への誇りや歴史の記憶が、地域のアイデンティティを形づくってきました。

一方で、それらの地域の多くで少子高齢化と若年層の流出が進み、「村納め」を判断するときが迫っています。

そこには衰退する旧・地域、家族、産業コミュニティが存在することは事実ですが、一方で新たな産業・趣味・SNSのコミュニティへと入れ替わる「新・地域コミュニティ」が生まれはじめています。この転換期にうまく地域を再生、再構築できる可能性を探っていきましょう。

モノ──地域に眠る資産を活かす

モノとは、土地や建物などのハードのインフラだけでなく、地域資源全般を指します。温暖化、グローバル化、IT産業革命に伴い、使われない施設や遊休地、空き家の再活用が期待されています。こうした“眠るモノ”を、新・地域コミュニティのニーズにあわせて再配置・再設計していく。

「不動産は金融的価値の基準」となります。

モノは使ってこそ価値が生まれます。都市計画やマスタープランのアップデートは、その第一歩です。

カネ──透明な財政と循環する資金

どんなまちづくりにも資金は必要です。

しかし投資は慎重に。

補助金も、交付金も、お金を出す以上「投資」です。交付金を使った投資や自治体債(地方債)の借金が、将来の消滅可能性都市の判断材料となる可能性が十分にあるからです。

自治体や国の仕事だからと言うのは、社長に言われたら仕方ないという企業破綻の理由と何ら変わりはありません。必要な地域を決めて、計画的な投資と整備計画をする地域経営からはじまります。。

情報──最新情報とグローバル化

意思決定には、正確かつ最新の情報を基に判断することが大切です。

AIやデジタル技術を活用した地域データ分析やシミュレーションを行い、科学的根拠に基づくマスタープランづくりを進めていくため、様々な企業のサービスを使い分けていくとよいでしょう。

さいごに──

また地方創生については
地方創生のソフト(ヒト中心、活性化)
地域創生のハード(モノ中心、再構築)

と考えてもらって構いません。

ヒト・モノ・カネ・情報。この4要素はバラバラに動かすのではなく、相互に関係しあいながら、地域のポテンシャルを引き出していくべきものです。世界には、日本よりも土地が広く、インフラもコンパクト化した都市がありますので、参考にするとよいでしょう。


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